フォロー

『ウエスト・サイド物語』観た

ストーリーは知っていたけれど、想像以上に沈鬱な空気の中に現れるTHE END、とんでもない感情にさせられて終わるの…すごいな。
ミュージカルは嫌いではないのだが、怒り屈折した不良少年達が集団でキレキレに踊るか?という雑念が入ってどうもいけない。歌うのは気にならないのに。
対立や喧嘩を、張り詰めた空気と衝動・躍動を踊りで表現する、その踊り自体は見ていて楽しい。構図、見せ方、色彩等がしっかりキマっているのも楽しい。

あと恋愛の話自体にそれほど興味がないので、マリアとトニーの場面などはずっと、へーそうなんだーという距離感で見ているのもいけないですね。あ、でも恋に落ちる瞬間の二人だけの世界、愛の誓いの場面の演出はとても面白かった。それこそ舞台演出のような人力の加工が面白い。前半の演出は見栄えがして面白く、後半それが落ち着いたのが残念だが、話のテンション的に仕方ないか。

音楽はバーンスタイン。どれも素敵なのだが、踊りと内容的に「アメリカ」が一番好きだな。移民のないまぜな気持ち。
あとはもう、ドクの思いとマリアの叫びに尽きるよね。愚か。みんな愚か。疎外感を抱く事情があったとしても。

決闘の合意形成する時に、ベルナルドが警察にやじられるのを見てリフ達が複雑な表情するじゃない。大人や他人に軽んじられる者として同じ立場にあるのがわかるからだよね。その感情を糸口にして繋がれればいいのにねぇ…と外から見てると思うよね。
ドクは皆を諭そうとしていた大人だけど彼一人じゃその役は重かっただろうね…とも思うし、また別のきっかけになるべきだったトニーはマジで説得下手すぎてつらいし。もっとこううまくやれよ、そもそもひとりじゃ止めるの無理だよとかモヤモヤする…!
マリアの苦しみの大きさもわかるが、アニタがまた別の大きさの、巻き込まれた苦しさを思うと一番つらい。ドクの店での仕打ちは本当に腹立たしくて。ジェッツ許せねぇ…。最後の場面にアニタが出てこなかったの、状況的にも心情的にも正しいなと思っていた。しかし全ての出来事をアニタが知る時って、彼女ものすごく後味が悪い思いをするよね…最悪じゃないか。

ログインして会話に参加
Fedibird

様々な目的に使える、日本の汎用マストドンサーバーです。安定した利用環境と、多数の独自機能を提供しています。