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イキウメ『太陽』の感想 

差別する時の解像度、差別された側の反応、どちらもリアルで生々しい(演劇的な誇張ではない)質感になっていて、その生傷みたいな表現に驚かされる あとこういう題材なのに会話は柔らかく時々笑いもあり、緊張感のあるシーンでも露悪的な振る舞いが控えめで、大人計画のギスギスに慣れているととても新鮮 草一が結を見て号泣するシーンが特に印象的で、あれは娘との別離の嘆きであると同時に、差別の究極の形として存在(人格)の否定と消失があり、差別される側も時としてそれに加担してしまうこと、その残酷さと衝撃の現れだと思った

ただ結と鉄彦の役割や扱いの差が少ししんどかったな 雑で上から目線な説得により四国行きを諦めさせられる結に対し、鉄彦は真剣に意見してくれる人と喧嘩になるまで対話ができる ノクスになった結を見てノクスになるのをやめる鉄彦、選択の自由が最後まで与えられているのは後者だ 差別について繊細な手付きの作品ですらこういう序列には無頓着なんだよな 10年以上前の作品に今の価値観でダメ出しするのやめな!はい

でも見れてよかった 温度や質感が好き 自分の観劇範囲が偏っているので知らない世界を垣間見た嬉しみがありました イキウメは生で見る機会があったら見たいかもしれないです

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