クドカンはすんごいファンとかではないんだけれどお気に入りドラマがいくつかある。阿部サダヲが昔から好きなのもあり源ちゃんが舞台出始めた頃の大人計画も少しだけ見に行ってたりもした。コミカルや色物ネタに注目されがちだがサラッと真を抉るセリフを大事なところで出してくるのが特に好き。例えば流星の絆で弟が言う「遺族は笑っちゃいけないのかよ」ていうセリフ。ああいうの。笑うよね人間だもの。笑いたくなれたら笑って人生謳歌してほしいよ遺族でも。腫れ物に触るようになって言えなくなりがちなことに触れてくるし、触れないのは相手を思って？それとも保身のため？と人間の仄暗い所を抉ってくるところが好きでもある。これは星野源ちゃんにも共通する感想。あと俳優の個性を絶妙に活かす当て書きも好き。長瀬とか広末涼子とか強烈な個性や輝きを持つ人の人間らしく生々しい暗闇を軽妙に的確に引き出す脚本を書く。サブカル的なネタぶっ込みすぎるのでそれが苦手になる人もいると思うんだけど、本質的には世の中の「普通」に真っ向から疑問を投げかけてくるのに決して反抗的に批判ありきではなく「純粋に君の意見を知りたくて」という体なのも好きなところ。人間の陰影を描くのがうまい人だなあと思う。夏目漱石のこころをクドカンで見てみたいな。