文化が途絶えることについての雑感。
和倉温泉も奥能登も国が出て来たのだから完全ではないにしろ復興はするだろう。国に援助してもらう以上、現地とは縁のない人が関心を持ち意見もするのは当然と思う。合理的な観点からいえば和倉温泉はまだしも奥能登復旧に経済的メリットが少ないという意見はその通りだと思う。
けれどどんな土地であれ、人がいる限り「暮らし」があり暮らしがある限り「文化」が根付く。
私のいる加賀地域にも独特の風習があるし方言もある。同じ県内でありながらそれは金沢とも奥能登とはまったく異なる。
奥能登にも独特の風習も文化もあり、それは長い時間をかけて形成されて来たものだし、あんな僻地なのに愛着を持ち暮らして来た人がいるからこそのもの。
物にも場所にもあまり執着せず淡白なわたしですら、佐賀旅をする中で北陸日本海側地域とはまったく異なる文化を肌で感じることで地域文化について再考したし途絶えることの取り返しのつかなさをしみじみ考えざるを得なかった。
「お金で買えないもの」というのは綺麗事でもなんでもなく「文化」なんではないかと感じたのだと思う。
奥能登の最北端珠洲市の人口は約10000人。震災を経てどれ程の人が戻れるのだろう。道路の完全復旧には年単位かかるという見通しが出されている。