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 だがその悲しい決断は、一人の闇(カオス)の血を完全に覚醒してしまった。ずっとずっと、隠して、抑えていた闇の血が芽吹く――――――。
「わかった。なら俺も好きにさせてもらうぜ、フリオニール」
「(目が……あ、赤く染まって……!)」
 フリオニールの体にかかっていた重力が消える。レイルが解いたとわかり、フリオニールは逃げようとするがバッツがその腕を掴んで、床に押し倒す。
「バッ……ツ……!」
「俺はお前のこと大好きだぜフリオニール。だから受け入れてくれよ」
 バッツはフリオニールを押し倒すと、持っていた麻酔薬をフリオニールの体に指す。直接薬を注がれて、フリオニールは苦悶の表情を見せながらも、バッツの前で眠ってしまう。赤い眼のバッツはレイルとクァイスに袋を渡すと、フリオニールを愛おしそうに抱き上げる。
「サンキュー、バッツ。これでしばらくは過ごせる」
「レイル、クァイス………数日は屋敷に戻らん方がいいぜ」
「ってことは――――――――やるんだな」
「そうそう。……部長もそろそろ解放されそうだし、あの人の部下やクラウド様がここを嗅ぎつけるのも時間の問題。ならさっさと動いた方がいいよな」

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