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『虎に翼』が戦争の被害と、特に加害を描いていないと批判している人がいるけれど、あのような上流家庭で暮らす女性を主人公にした時点で、それはしかたないんじゃないの、と思う。

あのような境遇の女性たちは、戦争中の被害と言うなら、空襲と親族の男性が戦死すること。寅子の家が軍に接収されて取り壊されてしまうのは、かなり大きな被害かも。
戦争の加害性まで考えられる人は少なかったでしょう。本土の女性たちが戦争の加害性に思い至らないまま生きている姿というのはリアリティがあると思う。

徴集された男性たちなら、戦争の加害性に悩み、それに加担している自覚を持ち得ただろうけれど、寅子の兄と夫はそれを伝えることなく戦死してしまう。

日本軍の加害性を描くなら、戦地を舞台にしないといけない。でも、『虎に翼』のようなドラマでそこまで描くのは難しいでしょう。『虎に翼』にはいろいろ欠点もあるけれど、それでも、朝ドラとしては十分に革新的だと思っている。日本軍の残虐さなどを描くには、別のドラマが必要。

言論統制とか官憲の弾圧などは、戦争前からあったことで、特に戦争の被害とは言えないのでは?寅子は兄と夫が戦死したんだよ。もう十分な戦争の被害ではないか?

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