安田 菜津紀さんの取材レポートに見るドイツの「歴史修正主義」:
”加害の歴史を「なかったこと」にする力学が強く働く昨今の日本から見れば、ドイツの姿勢は「先進的」に映った。
ホロコーストの記憶を伝える記念碑や博物館などから私たちが受け取ってきたのは、「誰に対しても、どこであっても虐殺はあってはならない」という普遍的なメッセージだと、そう思ってきた。ところがその「普遍性」が大きく揺らいで見えるようになったのは、2023年10月からだ。”
”「ナクバ」とは、イスラエル建国の過程でパレスチナ人約70万人が故郷を追われ犠牲になった大惨事を意味する言葉だ。後日冊子を確認してみると、確かにナクバについて、《アラブ人がユダヤ人を倒すことに失敗したことであり、国連が提示するような、誤解を招く歴史観とは大きく異なる》と書かれていた。こうした「歴史否定」の資料が、パレスチナルーツの子どもを含めた移民が多く暮らす地区の学校で、堂々と配られているのだ。”