今年良かったコンサートと悪かった何か

■ディオティマ弦楽四重奏団によるシェーンベルクマラソン@東京藝術大学奏楽堂 4/6
気鋭の弦楽四重奏団によるシェーンベルク弦楽四重奏全曲⁺浄夜。分量たっぷりで全曲渾身の演奏。休憩時間もたっぷりで観客としても集中力を保って聴けました。
楽しい企画でした。毎年やって欲しいです。番号無し弦楽四重奏曲と浄夜なしにすると時間も常識的なところに落ち着くのではないでしょうか。番号なしは曲の完成度が落ちるのと浄夜は編成が増えるのが理由ですけども、やっぱり浄夜は聴きたいかなー。

■ヒラリー・ハーン&アンドレアス・ヘフリガーによるブラームスヴァイオリンソナタ全3曲@アクトシティ浜松 5/14
異様に線の太いヴァイオリンで、太いままで微妙な機微を表現していました。キレや細さの限界ギリギリを目指す方向は良くあると思うんですが、その真逆を行っています。めちゃくちゃ攻めています。凄い境地にいます。おそらく唯一無二。ストレンジでエッジです。

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■アルディッティ弦楽四重奏団@サントリーホール 8/25昼と夜
死ぬ前に一度は聴いておきたかったシリーズ。武生国際音楽祭にも行きましたが、全部最高でした。71歳ながら技術的に最高レベルで体力も十分。なにより楽曲への理解度、知性からくる明晰さが素晴らしかったです。余りにクリアーなので分からされてしまう感じがありました。
水戸はチケット取っていましたが台風で行けませんでした。残念!行きたかった!

■ラトルとバイエルンによるマーラー7番夜の歌@愛知県芸術劇場コンサートホール 11/29
先日も書きましたが、複雑な曲を更にごちゃごちゃやっていて最高でした。

■悪かった何か。
セイジオザワ松本フェスティバルのネルソンス(指揮者)降板対応は誠意に欠ける対応でした。
ネルソンスが体調不良で降板してしまったのは仕方ありませんが、その穴を埋める為に沖澤のどかが“オペラ公演を降りて”ブラームス1番と2番の公演に出たのはオペラ公演の観客に対して本当に失礼なことだったと思います。
指揮者活動を真面目にやっていないバボラークにブラームス4番を振らせるのも良くなかったですね。指揮の下野がもう来ているんだから、下野に振らせるべきでしたでしょう。松本でも水戸でも誰かそろそろバボラークを止めて欲しいです。

二期会の影のない女も大幅なカット・改変があるなら、せめて事前にアナウンスすべきだったと思います。影のない女の全曲公演自体が13年ぶりだったんですから(結局全部公演にはなりませんでしたが)。
攻めの気概は買いたいところですが、そもそも最低限の共通土台のないマイナーオペラで、旨味である音楽をカットした上演を行うこと自体無謀です。前シーズンにコンサート形式で公演を打っておくなどして欲しいところです。オペラ公演は歌手を呼ぶのが大変ですが、二期会で自前の歌手だけでやるならそこまで負担ではないでしょうし。

ちなみにこの中でサイトウキネンのブラームス1番2番だけ行っています。

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