[彼氏候補②]
(名前を教えてくれない)

親:ナツル

プロローグ 

あたしまぁむ!
最近、気になる男性が三人いて、しかもみんなまぁむと一緒にいたがるから困ってるんだなこれが😉

一人目は筑波死滅さん。
筑波先生はまぁむの行きつけの病院のお医者さんなの。
ヘルニアにかかってからずっとお世話になってるんだ!
昔からお世話になっててかっこいいからまぁむ…あれが初恋だったのかも。

二人目は…実はまだ名前を教えてもらってないの。
けどすごくまぁむのことが好きみたいでいっつもまぁむと一緒にいようとするんだよね。
ワンコ系ってこと?かっこかわいくてまぁむ、彼のこと好きなの。
す、好きって言ってもまだ変な意味じゃないんだから!
そう、まだ……キャーーッッ♡

三人目の人は、恨次郎さん!
最近流行ってるアニメの主人公にどことなく似ててかっこいいんだよね!
彼はまぁむの幼なじみなんだけど、昔はこういう感じじゃなかった気がするんだけどな。
いっつも刀を持ってるの。
なんでなのか聞いてみたことがあるんだけど、気にするなの一点張り。
そんな大きくて立派なのを毎日見せつけられて気にしないなんてできるわけないじゃない!もうっ…ばか。

〈第一章〉① 

まぁむは今日、筑波先生に呼ばれてるの。
先生、たまにまぁむのこと呼んでは診察するんだけど…採血の時は注射が怖いの。

「待ってたよまぁむちゃん」
あ!筑波先生♡
今日もかっこいいなあ…薬品の匂いが筑波先生のトレードマークになってるの。だからまぁむ…薬品の匂いも、好きになっちゃった。

「まぁむちゃん、今日は特別な治療をするから別室に行こうね」
そう言う筑波先生が床のタイルを外すと、そこにはあのよくある地下に行くための筒型のハシゴがあった。
え?これって地下室への隠し通路ってこと?
こんな部屋があったなんて…

筑波先生に連れられて行った先にあったのは研究室みたいだった。
それだけなら病気に対する研究だと思えるんだけど、一番怖いのは…

「培養液の中に…まぁむ?」

よく漫画とかで見る培養液の入った大きな筒がたくさん。
その一つ一つの中に、まぁむが入っていた。
けど、微妙に顔が崩れてたり、ちんちんが無かったり…なに、これ……?

〈第一章〉② 

プスッ

「はにゃ?」
まぁむの首にチクッとした痛みが走る。

「サンプルは揃った!まぁむちゃん、ようやく君の量産の目処が立ったんだ!できたらキミの血液だけで作れたら良かったんだけど…まあいい、キミの犠牲によって俺の夢が叶うんだよ
さあまぁむちゃん。キミの内臓を!脳を!骨髄を!全てを捧げて茨城を俺たちのものにしよう!」

筑波先生がまぁむの頬を撫でる。
恍惚とした先生の表情が、徐々に歪んでいく。

「まぁむちゃん?キミは…なぜ倒れないんだい?あれは、インド象をも眠らせる協力な、麻酔─────」
「麻酔!?何するのよ先生!もうーーっ!!」

筑波先生ったらやりすぎ!急に麻酔だなんて…強引に眠らせてえっちなことする気だったでしょ!コラ~~っ⤴︎︎!
順序を踏んでください!

まぁむはそのまま病院を後にした。

翌日、筑波先生が死亡したというニュースが流れた。
死因は、頚椎の骨折からくるものだったんだって。
なんでそんなことになったのかまぁむにはわからないけどただ一つわかるのは……まぁむの初恋は、あえなく散ってしまったってコト。

──────────────
???「…………」
???「閑鳥まぁむ……この女がこんなに沢山世に存在して良いわけがない。」

〈第一章〉③ 

──────────────

筑波死滅の死が発見された日、閑鳥まぁむのクローン達も全て同時に死亡していた。
彼女達の命を繋ぐ機械が破壊され、その生命を保てずこの様な結果を招いたのだった。

[第一章]完

HO1 秘匿内容 

[筑波死滅]

HO1▶︎あなたはマッドサイエンティストです。
まぁむの細胞や臓器を手に入れ、クローンを大量に作り茨木征服するためにまぁむに好意があるフリをしています。

〈第二章〉① 

「恨次郎く~ん!おはよっ」
「あはは、おはようまぁむちゃん」
まぁむが恨次郎くんと腕を組もうとすると避けられちゃった。
昔腕を組んだ時に折っちゃったからなのかな?
もうっ!大袈裟なんだから(⑉・̆༥・̆⑉)

そういえば昔は二人じゃなくて三人で登下校してたな…ある時から、二人で登下校するようになったんだっけ。
あれ?でもそれって……なんでだっけ?
あの時一緒にいたあの女の子の名前は、えっと……

「ねえまぁむちゃん。今日は一緒にピクニックに行かない?」
「行く行く!じゃあまぁむ、帰ったらサンドイッチ作るね!」
「ううん、それは俺が用意するから大丈夫!長男だからサンドイッチも作れるんだ。次男だったら作れなかったけど…」
「あはは、なにそれ~~」

恨次郎くんったら面白いんだから!
まぁむ達は一時間後に待ち合わせの約束をして、その場では解散した。

「お待たせまぁむちゃん」
「う、うん…なんだか、デートみたいだね♡」

まぁむは恨次郎くんとのデートのために思いっきりおめかししてきちゃった。
二人並んで歩くなんていつものことなのに、体が火照ってきちゃう……

「ここらへんにレジャーシート敷こうか」
ピクニック先の樹海でしばらく歩いて疲れちゃったまぁむ達は休んでサンドイッチを食べることにしたの。

〈第二章〉② 

「いただきまーす!」

あれ?恨次郎くんの作ったサンドイッチ、不思議な味がするけど…このお味、クセになるかも!
恨次郎くんたらサンドイッチを食べないでまぁむのことばっかり見て…もうっ!

「まぁむちゃん、気分はどう?」
「うんっ!恨次郎くんのサンドイッチすっごく美味しい!恨次郎くんは食べないの?」
「まぁむちゃんの食べてる姿から目が離せなくてさ」
「も~~っ♡」

「ところでまぁむちゃん。なんで死なないんだよ」

気づくとまぁむは恨次郎くんに押し倒されていた。
はにゃ?こ、これって…っ
「ダメだよ恨次郎くん。まぁむ達、キスもまだだし、正式にお付き合いしているわけでもないのに……そ、それに。コンドーム…持ってるの?」
「なんで死なない?即死するような毒を入れたというのに…なんでだよ。お前がいる限り、俺は恋もまともにできないのに!」
「こ、恋!?まぁむのこと殺さなくても、まぁむは貴方の気持ち…受け入れるよ////」

まぁむは恨次郎くんの気持ちを受け入れるために目をつぶった。
「……死ね」
え?おかしくない?
まぁむが目を開けるとそこには、恨次郎くんの刀がまぁむに向いていた。
そして、そのまま────

フォロー

〈第二章〉③ 

「危ないまぁむ!!!!」

恨次郎くんの体がまぁむの上から離れて、まぁむを助けてくれた人と一緒に転がり落ちていく。
そして、二人はそのまま落ちていって──

「いやあああああ!!」

[第二章]完

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