ところで。MastodonHKの方で結構切実に広東省における広東語の衰退危機について本気で憂うトピックがあったのが一広東語スピーカーとして大変気になったのでこちらでご紹介。
ざっくり背景をお話すると:
基本、ほぼ政治的な理由から中国本土のPRC政府は建国以来言語の統一(中国方言を止めさせ全国マンダリンにしたい、施政者が統治しづらいから)を目指しているのだが、華南にある広東省はお国柄もある上に首都北京=管理者から物理的に目が届きにくくかつ広東語が公用語のひとつである香港から近いのもあり、公共交通機関のアナウンスにもまだ広東語が使われているなど広東ローカル文化が根強い。
ところが、最近のお若い世代の広東人は学校教育がマンダリン主体になり広東語を話せないひとたちも増えて来た+他所の省から流入してくる非広東人によるマンダリン攻勢(彼らは移転先の言語を学ぼうとはしない)で広東文化衰退にものすごく危機感を抱くひとが増えている。
そこで広東語を守りたい、という心ある皆さんひとりひとりに次のことをお願いしたい:
1. 文字入力に広東語ピンイン(中文発音をアルファベタイズした記号)を使う。潜在的な広東語の社会的地位を強化し、マンダリンに浸食させるようなことがあってはならない。言語の保護を自分の脳内から始めるのだ。
2. 日常生活で出来るだけ広東語を一言目に使うこと。口を開くときはまず広東語。そうすれば(その場にいる広東語を解する人たちがそれを耳にするので)潜在的な広東語話者をその場で見つけられる。外出時にマンダリンでものを言えば周囲の人々は必ずマンダリンで応えるだろうし、それは広東語環境をまた一段階狭めることになってしまう。もし彼らが広東語を解さなければもう一度一から話し直しても損は無いだろう。
3. 広州地区に長期在住しているのに広東語を解さない人に遭遇した場合、出来るだけ広東語を教えてみる。例えば会話グループの中にいるなら広東語での会話を続け、後で翻訳してあげればいい。少しずつやって行けば彼らだって解るようになってくるだろう。もし彼らに広東語を永遠に教えなければ、そして彼らが更に長期にわたりこの土地に住み永遠にマンダリンだけを使っていくなら、またマンダリンが優勢になるだろう。そうなれば広東語圏はただの「広東語訛りのマンダリン話者*」のエリアになってしまう。(公共の場から上海語が消えてしまった)上海がその典型的な例だろう。
*原文では「煲冬瓜」、一般的に南方人≒広東人はマンダリンが下手くそだと北方人から揶揄されがちでこの bou dung gwa が広東人が話す「普通話」の発音に似ている、というのをこれまた揶揄った表現なのです。それだけ広東人にとってマンダリンが「外国語」なことが判る話でもあります。
https://m.cmx.im/@danceinuniverse/109025053354943585