(続き)→ 『水滴』(97)寓話的でありながら沖縄戦の”哀れ”を痛烈に描く
『魂込め』(99)沖縄の死生観を背景に抑えようのない怒りが表出
『虹の鳥』(06)暴力の連鎖の先に見える沖縄への加害者
『眼の奥の森』(17) 記憶を封じ込めてもなお続く沖縄戦の傷
『魂魄の道』(23)現在に直接繋がる5つの沖縄戦の物語
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グイグイと引き込まれる物語の力強さ、映像が目に浮かぶ鮮烈な描写、硬質な言葉で読者の心を穿つ目取真氏の小説。
そこには著者が向き合ってきた沖縄戦没者の声なき声や、弱者を痛めつける社会の歪みが描かれ、沖縄への加害を続けながら無自覚な私達「本土」への鋭い批判が込められています。