フォロー

こちら「果てしなき流転」は、著者・上江洲清氏による沖縄戦と移民生活の手記。
1939年生まれの氏は、6歳で巻き込まれた沖縄戦で九死に一生を得、19歳の時に米軍統治下の沖縄から一家で南米へ移住。
様々な苦労の末、32歳で一人同地を離れるまでの経験が、ディテール豊かに語られます。
*
沖縄戦では船の沈没や空襲にあい、母は聴力を失い弟は死亡。
戦後は小学生にしてアルバイトで家計を支え、母のお産を一人で助ける事も。
19歳の時、父の独断でブラジルへ移民するも、コーヒー農園の過酷な労働、恋人の死や父の暴力もあり、逃げるようにアルゼンチンへ…と、まさに流転の人生。
*
それでも、地道な努力や同郷の人々の助けで仕事を身につけ、また弁論大会での優勝など、苦難にめげず歩む姿は感動的。
異国の風景や人々と交わす会話も鮮明に記され、著者の記憶力の良さにも驚かされます。
沖縄からの南米移民が経験した、激動のライフヒストリー。
読み応えのある一冊です。
*

ログインして会話に参加
Fedibird

様々な目的に使える、日本の汎用マストドンサーバーです。安定した利用環境と、多数の独自機能を提供しています。