1948年、沖縄戦による養豚の壊滅で食糧難に喘ぐ沖縄を救済しようと、ハワイの沖縄系移民が550頭の豚を集め、船で沖縄へ届けました。
こちら「海からぶたがやってきた!」は、この実話を元にした児童向けノベル。
大きな文字に豊富な絵と写真で、豚を運んだ7名の移民の活躍が描かれます。
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船中での飼育の苦労、嵐や機雷の危機。
移民達の“沖縄のために”という意志の強さ。
読みやすい文章で語られる内容は、大人が読んでも感動的です。
画家でもある著者の下嶋哲朗氏は、90年代には忘れられていたこの豚の逸話を自ら調査し、本書を書き上げました。
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後書きで著者は、沖縄の膨大な基地の存在を否定し、沖縄に注目して「考える習慣」を持ってほしいと説きます。
しかし、考えず従う事に慣らされ、考えて物申せば嘲笑される今の日本。
”「考える習慣」が意志を育て、生きる力となり、歴史をも変えうるのです”という著者の言葉を噛み締めたいです。
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