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『イラクサ』
作/アリス・マンロー
訳/小竹由美子

短編集。カナダの都市や田舎に暮らす、名もなきひとたちの人生の一瞬を切り取った映画を観たような読後感。

あれはどういうことだったのだろう、なぜ彼女は、彼は、あのときそうしたのだろう、あの光景は本当に見たものかそれとも幻影か。登場した情景のひとつひとつを、いつまでも思い出してしまうような、そういう作品たちだった。他のももっと読みたい。

作者の経歴を把握したうえで作品を読むと、似たモチーフが繰り返されていることにすぐ気づく。田舎育ち、結婚、離婚、ふたりのこども、文筆業、などなど。在り得たかもしれないもう一人の自分。当然、登場人物たち=作者ではないにせよ。二次創作をするオタクのわたしは「自分の人生で二次創作しているみたいだな」と思った(もうちょっと適切な語彙力がほしい。)

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