(つづき)映画『首』ネタバレ感想 (まとまりのない備忘録)
秀吉も映画中はそちら側のキャラクターとして存在していて (百姓上がりだと笑われる、笑っていい人間だと色んな人に思われていることが丁寧に描かれる)、物語も天下人になる手前で終わる。
虚礼なんてかったるいんだよ!と聞き分けなく首を蹴っ飛ばすラストシーンめちゃよかった。
あと、これは私の個人的な感性なんだけど、笑われる側の人間になったことがある人、少なくとも笑われる側の人間が人間であることをちゃんと知っている人が作った話だと感じた。笑われる側の人間が「人間である」と姿を表す瞬間が随所にあり、勘違いしたまま感傷に浸っている強者に冷めた目を向けさせる仕組みがあったと思う。それと同時に、価値観から自由な第三者になったつもりで、価値観に縛られて必死にもがく人を笑ったり、そんな価値観知るか!と簡単に蹴っ飛ばしていく人に拍手を送って得意げになったりすることもまた、とてもみっともないことではないか、と思わせられる映画だった。