磯崎新さんの訃報を上長より受け取って葬儀が終わりました。私は、院生時代の鬱のどん底にいた最中、磯崎事務所で資料作成のお手伝いを住み込みでさせて頂く機会に恵まれました。「留学に行きたいのならここで料理を覚えて帰りましょう」と仰ったこと、慣れた手つきで野菜を切ってパスタの茹で具合を味見してまだだねと仰ったことから「生きる」という1番大切なことを磯崎さんから教わりました。留学に行きました、という報告ができなかったのが心残りです。真似して買った照宝の蒸し器は今も現役で、使うたびに思い出すことでしょう。安らかにお眠りください。