第3章 道徳的制約と国家〈道徳的制約と道徳的目的〉
・道徳的主張があるとき、それが目的として主張される場合と制約として主張される場合とがある。
・例えば「他人の権利を侵害してはいけない」という道徳的主張に関して言えば、目的として主張される場合というのは、各人の権利侵害の度合いの(加重)総計を最小化せよ、ということになる。(「権利功利主義」といえば分かりやすい。)
・一方で、制約として主張される場合とは、「他人の権利を侵害してはいけない」という制約を満たすように行動せよ、ということになる。
・この区別により、前節で超最小国家の擁護論が一貫していないと言ったのは、暗黙のうちに目的としての主張を想定していたことがわかる。制約としての主張と捉えるのであれば一貫性のある立場となる。
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