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鳥羽和久著『君は君の人生の主役になれ』(筑摩書房、2022)読了。
檜垣立哉の「修士は死ぬ気で勉強しろ」発言を読んで、どうだろうな……と未読棚から手に取ってみた。
「正しさ」でジェントリフィケーションされ、「生きる実感」が失われることへの危機感、「ものわかりの良さ」によって他者をコントロールせんとする「大人」の姑息さ、など耳が痛い話も多かった。

《あなたはこれからも、善き人を追い求めながら、そのたびにあくどい自分を見出して絶望しながら、生き抜いてください。 人を気遣い、配慮すればするほど、自分に避けが たく悪が忍び寄ることを全身で感じながら、自分の善意にことごとく挫折しながら、そ れでも強く生き延びてください》
一貫性を勧めず、こう言ってくれる大人は貴重。
ただ、「配慮」の問題はともかく、「権利」の問題として社会モデルを変革するのはそれはそれで必要だとも思う(人権を守ることは「配慮」という心の問題ではない)

「勉強」を「自己の変容による自由への開放」と捉えると、「昨日の自分が死ぬ」ことで、今日の自分がめきめきと変わっていける、ということはあるかもしれないと思うに至った。

ちくまプリマー新書は良書が多い。複雑なことを複雑なままに、しかし若齢者に伝わるように書くぞ! という熱意を感じさせる本が多い。

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