式場につくと、みんなかなり普通めのドレスでびっくりした。自分の価値観やバランス感覚がずれているのかもしれないが大事な人の結婚式はその人を想ったいちばんのおめかしをしたい。周囲から浮いていようがそう思う。式は、形式じゃない部分の二人が綺麗だった。仲の良い感じや緊張しすぎていないところがよかった。子どもたちへのあたたかさや、庭園での撮影が多いところも良いし、あとあと見返した時に様になる式だったように思う。ムーンリバーの選曲が美しい。久しぶりの小林先生は少し痩せていた。あまり話せなかった。先輩方はあまり変わらず、先輩が話しているところを聞いているのがすき、という3年生のころの気持ちを思い出す。とりわけあゆみさんとあゆみさんと山田さんの会話の空気がとても良い。ゆっくりで、誠実で、正直で、確信をつく。
帰りにがんばってドレスの記念撮影をセルフでして、時間がないのでタクって帰る。眉毛が気に入らないのでメイクをやり直してとだっちさんのところへ。久しぶりに会うの、少し照れた。あと毎度お洒落になっている気がするのだが。いま反省して思うけど、今日いつもよりカッコよくないですか?とかそれくらい言えばよかった。NYの軽やかな会話のテンポ早くも忘れてる。
二人で横に並んで歩くのがたのしくて好きだ。蕎麦屋でふなべら骨せんべいなどを食す。カウンター席だった。向かい合う席だったらもしかしたら恋愛の話に持っていけたかな。いや私の度量不足なのだが。NYや本や色々と話しても良い雰囲気にはならない。蕎麦は茶の味が美味しい。柚子の温かいつけ汁も。とだっちさんの転職や地震の話を聞させてもらう。自分のパーソナルな話をひとに聞いてもらう、というところに繊細な方で「お金払います」とか冗談で言うので、「お金払います」と返してトントンにする。私はそういう話こそ聞きたいのに。蔦屋まで歩いて、30分しかいられなくて、渋谷まで歩いて、帰る。味覚の「ぼやけてきた」の話や、ペットや子どもの話。蔦屋から締め出されたときまだ帰りたくなかったけど、渋谷まで歩きながら話して、別れ際に本を借りて「次はなにに挑戦しますか」と聞かれて「家についたら連絡ください」と言われて、別れて、ああなんかこのゆっくりゆっくり一緒にいる感じで多分よいのだろうなぁと腑に落ちるところがあった。関係性の進展の遅さ早さと、二人の心の深まりとは関係がないだろう。(関係関係) こーじのように会ってその日のうちに大きく何かが変わるようなこともあれば、なんどもただの散歩と会話を重ねることもまた、二人だけの質感がある。