フォロー

稲葉振一郎『宇宙・動物・資本主義』(晶文社)おおよそ読んだ。対談相手はかなり適当に飛ばしてry

ジャンル横断の対談てのは、えてして「お互いのハンチクな理解の遠吠えバトル」みたいになって面白くないんだが、「対話的専門知」(コリンズ)のレベルの高さでは他の追随を許さない(だよね)この人にしかできないマルチリンガルなお喋りが面白い。
俺はSFもアニメも興味ないので、内容によってはかなり興味のグラデーションがある。特に面白かったのは、最初の大屋先生との「不在の安藤馨」を巡るやり取りの緊張感とか、最後のトークの、「新自由主義という情念への甘え」へのやりきれない怒り爆発とか。
後者の、マルクス主義と新自由主義の共通点の話は面白かった。割り切れない現実を煮え切らないやり方でマネジする「政治」というものへの嫌悪が、(この言葉は好きじゃないが)「キャンセルカルチャー」と揶揄される心情の裏に潜んでいる危惧を日頃から感じているから。
蛇足。
「本当に頭のおかしかった頃の(つまり最高だった)柄谷行人」は、俺にとっては文芸批評を書いている頃だったと思う。鼎談で中野孝次に「ばかやろう」と言ってた時。

彼がもう一度文芸批評やるなら俺は本買うぞ。

ログインして会話に参加
Fedibird

様々な目的に使える、日本の汎用マストドンサーバーです。安定した利用環境と、多数の独自機能を提供しています。