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三木那由他『グライス 理性の哲学』(勁草書房)、読了。
「会話的推意」という面白そうな概念に惹かれて2年前に読み始め挫折してから、ずっと心残りだった本。

後半はやはり難しかった。グライスは、人間の理性(カント的な硬いものではなく、「人のあり方の合理性」みたいなもの)を出発点に、人間がどう考えたりコミュニケーションしたりするのかを解読しようとした、ということなのか。
難解な哲学用語を使わずに、例えば会話で起きている「言葉以上の何か」を説明したり、人が理由に基づいて行動したり考えたりするのはなぜかを考える。回りくどいとも言えるし、レンガを積むように丁寧に考えている、とも言えるんだが、これに付いていく知的気力が自分にはない。

本書で何度も使われる「理性」が、とても身近なものに思えるのは、グライスや著者が考えようとしていることが日常と地続きだからだと思う。だから読んでみたくなるんだけど。

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