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今日観た、チャン・リュル『福岡』について(ネタバレ含)。

延々と続く、幽霊が見ているような手持ちキャメラ(カットを切らない長回しがそれを助長)。
古本屋に戻ってくるエンディングが、それこそが現実なのか、それともそれまでが現実なのか分からなくなるのが見事。

男2女1の三角形だけど、クォン・ヘヒョとユン・ジェムンのおっさんコンビは若いパク・ソダムに手を出すわけでもなく、ひたすら「過去の女の思い出」に苦しむ。この2人からミソジニー臭を感じないのも嬉しい。

この2人を手玉に取りながら、3ヶ国語の間を、男たちの間を、福岡の街を、そして現実と幻想の間を静かに泳いでいるパク・ソダムが素晴らしい。

そしてこのロウソクのショットよ。3人が文字通り「息を合わせる」瞬間。

自分が、最新作『柳川』よりこっちのほうが好きなのは、老いの現実と忘れられない過去をこんなふうに引きずったまま生きていけたらと思うからかもしれない。

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