お別れのリーバルがテバに何も言ってやれなかったのは、「この男は、自分が何を言う必要もなく、人生も夢もやり遂げてしまう頑強な存在だと知っているから」言葉が浮かばなかったという解釈、素敵さと納得感でな、なるほど……と唸ってしまいましたね。
「リのような戦士になる」「リを越える」と憧憬を語るテバに救われて、一緒に戦って、訓練して、彼同様に自分に憧れている戦士のタマゴだという息子チューリとも出会って、「英傑リーバルの伝説」が残りゆくリトの未来を知ったリーバルからすると、テバがいまこれから先にいったい何が足りないのか?もう彼の人生の目的や夢ややりがいといったものは満たしてしまっているんじゃないか?未だ自分の身すら護りきれなかったかもしれない若く未熟な自分から、この歳上の立派なリトの戦士に何を言ってやれることがあるだろうか?……と、それくらいの考えが回る聡い青年リーバルだよなあ……と、すごい納得……
それでも、「まだできる」「まだやれる」「俺の仕事は沢山ある」とやってくつもりのテバだからこそ、「良い経験になりました」だし、族長だし、底の無い強欲傲慢な憧憬……
テバがそうやって「次」(僕には想像もつかない更なる夢)を見据えている、というのも、リーバルにとって送る言葉を失わせるものだったのかもしれないですね……