ここちょっと難しい
「ベニーテス ＝ローホーによれば、カオス理論は「繰り返し、再生し、崩壊し、展開し、流れ、回転し、振動し、滲み出てゆく」すべてのものに同じように関心を払い、同じように扱う＊ ７。ここで彼が言う「繰り返す」とは、ドゥルーズが「同一的なものから解放され、否定的なものから独立するようになった純粋な諸差異」を常に伴う反復のことである＊ ８。つまり、繰り返し現れるものを同一のもの、もしくは類似のものとする「再現 ＝表象」のシステムの中で否定性として思考される差異の反復ではなく、新しいものを要求することを止めない「反復の本来の力」を持った反復だ＊ ９。ベニーテス ＝ローホーは、自身のカオスの言説において、「あらゆる反復は、必然的に差異、そして無への一歩を伴う実践である」と主張している＊ 10。カリブ海は、この「繰り返し」が実践される世界なのだ。」

—『私が諸島である カリブ海思想入門』中村達著
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