夏休みの自由研究メモ
このお盆は田舎に帰らず自宅で原稿書きと自由研究に明け暮れている。
言語人類学者による言語とエージェンシーについての論考では Ahearn 2001 “Language and agency” という論文がよく引き合いに出されているのだけれども、Ahearn 2010 “Agency and language” という大幅改訂版が出ているのも見逃せない。こちらは Duranti 2004, Ortner 2006, Kockleman 2007からのAhearn 2001 “Language and agency”への言及への返答を含めて大幅にアップデートしたものなので、それらを合わせてじっくりと目を通すと大変に面白い。
Ortnerはシェルパ族の仏教実践を調査した”High Religion”の著者だし、Ergativityについての議論では Scott DeLancey のチベット語ラサ方言についての論文などが取り上げられたりしていて、昔取った杵柄で、勘所が掴みやすいと感じる。チベットのフィールドワーク経験があるのは、語学教育に携わりながら言語人類学的な研究をしていく上では大いに肥やしになる。