【配信後記・2023年7月7日】
第3章がスタート。移民とディアスポラの国アイルランドは、歴史を通じて国外へ多くの人々が移住しましたが、今回のページではその終わりなき移住の歴史がこれでもかというほど細かく書き込まれていました。しかし、このモチーフをキャロルがウィスキーのレーベルとつなげて絵に描いたことで、この悲劇と辛酸の歴史がユーモラスな文脈に移植され、いかにも『ウェイク』的なものに変身しました。
ジョイス家に伝わる「バクリーとロシア将軍」の話は実にへんてこりんで、そもそもどうやって語るのが一番良いのかもはっきりしません。ジェイムズ・ジョイス自身は、パリやトリエステでこの話を周りの人たちに語ったのだろうか、もしそうならばどういう語り口をとったのだろうかという興味がわきます。
YouTubeの新機能を使って、第3章ではクイズも定期的に出題していく予定です。あと、毎週の配信は内容が濃すぎてついていけないけど『ウェイク』は読んでみたいという方に向けて、毎月の配信内容から要点をピックアップした『ウェイクを読む・Lite』を作ってみようかなとも思いました。