映画AKIRAのはなし
ちょっと前にAKIRAを初めて見た ずっと見ようと思ってたやつ 「バイクをギリギリの極限状態で乗りこなすときの、個としての自分が融けてまるで世界と一つになるような圧倒的な恍惚感」を表現するための映像美!音楽美をくらえ!という感じの勢いと説得力があった なのでこの映画が「極めて個人的な拗らせの問題を世界規模の破滅の危機に重ね合わせる」物語類型を取ってるのは必然というか、それが素晴らしくかっちりハマって上手く機能しているなという印象 鉄雄にとって金田が隣にいて一緒にバイクを走らせている時間はあまりにも素晴らしいもので、それが眩しいものであればあるほど劣等感と執着心をどんどん煮詰めていってしまう……という感じの、相手に対して一方的に抱く感情のドロっとした部分 それをダイレクトに見せられるので見てる側は当然ウッとなるのだけど、そこはカラッと小気味良い性格をした金田の圧倒的なカリスマオーラで上手く全体のバランスを取っていたので、観終わった時の居心地の悪さとか後味の悪さはそんなになかった