相澤大怪我ルート②
「ほんとうに、おれでいいんですか」
僅かに震える声に驚いて相澤の顔を見る。
いつも真っ直ぐに先を見据える強い瞳が揺れて「戻るなら今だぞ」と言わんばかりの不安気な感情が読み取れて、少しでも安心させたくて包帯まみれの手をそっと握って「君がいいんだよ」と揺れる瞳を不安ごと撃ち抜くように視線を合わせる。
ぽろり、と1粒雫が相澤の頬をつたう。
今まで見てきたどんなものより綺麗だと思っていたら声に出ていたらしく「バカなんじゃないですか」と枕に顔を埋めてしまった。チラリと見えている耳まで真っ赤で可愛らしい。
「怪我が治ったらたくさんデートしよう君と行きたいところがたくさんあるんだ」
「そんな暇ないですよ、これから学校行事が山ほどあるんですから」
「君に私の作った料理を食べてほしい」
「それは…是非食べたいです」
「君とたくさん甘やかしてキスをして抱きしめて眠りたい」
「…っ」
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#オル相
相澤大怪我ルート③
顔を隠す枕を取り上げると不安に揺れる瞳はもう無くて、照れているのかスイスイと視線があちこちに泳いでいる。
「それだけじゃないよ。怪我が完治したら、君を抱くから」
「〜〜っっっ!?!、?」
目覚めに刺激が強すぎたのかいよいよ限界のようで声にならない叫び声(?)をあげながら布団をかぶって丸まってしまった相澤くん。
こんもりと山になった布団を撫でながら「君を怖がらせないようにしっかり予習しておくから」と囁くと布団から少しだけ顔を覗かせて「学校の業務もちゃんとやってくださいよ」と唇を尖らせる。「もちろんさ!」と笑顔を見せると彼も眉を八の字にして困ったように笑った。
相澤大怪我ルート
目を覚ましたって報せを聞いて職員室飛び出す八木を「ありゃ相澤に怒られるぞ」と笑う山田と香山先輩。
転がり込むように病室に入るとベッドを上半身だけ起こして窓の外を見る相澤くんの姿が。
とうに答えはでているけどどうしようもなく愛しさが込み上げて「アンタ授業はどうしたんです…」と言い切る前に抱きしめる。怪我に障らないように優しい抱擁。
まだ目覚めたばかりだからかあまり力の入っていない腕が持ち上がって八木の背中にまわる。彼が生きている。そんな些細な事が泣きそうになるくらい嬉しくて。
「きみがすきだ」
「いきててよかった」
「へんじ、遅くなってごめんね」
「こんな事になってから自分の中の君に対する気持ちに気付くような情けない男でごめん」
ぽつりぽつりと口から感情が溢れていく。
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#オル相