#薔薇はいいから議席をくれよ #MoreDignitiyLessBullshit(キム・ジナ著・大島史子訳)』 不勉強なため、私にはフェミニズムがなぜトランス権利と両立しないのかがわからなかった。
「著者はソウル市長に出馬もした韓国のフェミニストだが、トランス女性の権利には積極的ではない」
という前情報だけでこわごわ読み始めたが、第一線の元・コピーライターさんが書いただけあって文章・構成が卓越しており、ぺージ数もコンパクト。
一気に読了できるようにつくられていてさすが。
翻訳者さんの力量にも感謝。
私なりの理解だが
「不況と不安定な雇用で女性が未来に希望を抱けない今は待ったなしの状況。マイノリティ全体の権利よりもまずは女性の権利を勝ち取らなくてはならない。」
というのが著者のメッセージだろうか。
短いキャッチコピーで大勢に訴求し「運動」を通じて社会を変えようというのが本書の狙いである以上
「私が闘うのはここからここまでですよ」
ときっちり線引きするのは必要、そうでもしないと結果なんか出ない。
とはいえ私が「運動」というものに参加できない体質なのはこのせいか
と、本書のおかげで自己理解を深められました。
なお一番共感したのは著者が希死念慮と闘ったことを綴った章。
#読書
#薔薇はいいから議席をくれよ #MoreDignitiyLessBullshit(キム・ジナ著・大島史子訳)』 不勉強なため、私にはフェミニズムがなぜトランス権利と両立しないのかがわからなかった。
決定的に賛同できない部分はやはりトランスジェンダー女性に関する記述だった。
女性同士連帯しようと呼びかける本書だが、トランス女性をそこに含めないという。
私はトランスジェンダー女性とも連帯したい。
トランスジェンダー女性を連帯から線引きする著者のスタンスは到底受け入れられない。
著者は韓国で2020年淑明(スンミョン)女子大にトランス女性が入学を許可された件やオリンピックにトランス女性が出場した件などを例としてあげている。
しかし、女子大への入学もオリンピックへの出場も控えていない私の現実の生活がトランスジェンダー女性によって脅かされることはない。
誰と連帯するかしないかを自分の現実の生活感覚で決めたい私にとって、著者が挙げる例は抽象的すぎるんだと思う。
#読書
#薔薇はいいから議席をくれよ
#キム・ジナ