推しが性犯罪で逮捕された韓国オタクたちのドキュメンタリー「成功したオタク」おもしろかった。
どうしても捨てられないかつての推しのサインを前に葛藤するオタクの心労が、ある種のオタクである自分には察せられて余りある。
本作の監督であり主演のオ・セヨン氏は、ファンダムでは推し自身にも顔を憶えてもらえた「成功したオタク」であったのが意外。
同調圧力や相互監視がカタギとは思えないほど激しい日本のファンダムで、こうして顔出しで「ファンとしての加害性」を語れるファンがいるかと考えると、難しいと思う。
韓国のファンダムは成熟している。ドルオタだけでない。
アジア映画初のアカデミーを勝ち取った映画『パラサイト』の成功は、それまで国内映画作品に厳しくも率直な視線で向き合い続け、質の向上に貢献し続けた観客のおかげであると、ポン・ジュノ監督も語っていた。
同じオタクとしてつらい部分もありつつ、最後には推しのいる幸せも思い出させてくれるという、ふしぎな魅力のある作品。
https://www.youtube.com/watch?si=dk7a5TIJYRp-6FWN&v=8n6PXgRdWRo&feature=youtu.be
基本、国や地域を問わずファンダムとはトキシック(毒がある)なものだと思っているけど、すくなくとも「推しの作品/人を批判する」こと自体は可能である韓国のファンダムは眩しいよ。
日本のファンダムは人権尊重の観点から批判でもしようものなら、匿名のメッセージ鍵垢からの攻撃と蜂の巣になること確定だからね。
アニメ漫画オタクもドルオタもみんないっしょ
https://twitter.com/omph_fyi/status/1527475951105638401?t=G5_lY6yJ0EUtoVcp9sBohA&s=19
推しを批判することすら難しいのに、「ファンとしての自分たちの加害性」に思いを馳せられるなんて眩しすぎる。
日本のオタクの場合、つまりは推しが人権侵害していたかしていないかなんてどうでもよく「自分が“無関係”のままなにも考えず消費する」ことを邪魔されるのがいちばん嫌だと思うので、自分たちオタクの加害性なんていちばん考えたくないことに違いない