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引き続きNTL2作目を。
ウィリアム・シェイクスピア作、クリント・ダイアー演出、新解釈の『オセロー(Othello)』

特にこだわりなく選んだ作品だったけれど、帰りの電車でしみじみ「なんか面白かったなぁ……」と。
原作者の筆が光る示唆に富む台詞の数々や、400年前当時と私達とを比べてそこまで変化していない社会の一面を描こうとする演出、幕間では制作陣の話も聞けて充実。
こういう派生作品も興味深い。

イアーゴの妻エミーリアの顔には初登場時から目立つ傷があって、腕にも包帯が巻かれているのが気になり、それがドメスティック・バイオレンスを仄めかす要素なのだと後半で分かった。

あとごく個人的にこちらを鑑賞したことで、先日『るつぼ』を見て以来感じていたジョンとアビゲイルの関係に対する濃いモヤの正体がはっきりしたのもあり、重ねて良かったとも思っている。
両作品にはよく似た意味の台詞が出てくるのですが、一方は「夫が不貞行為に走るのは妻にも問題がある」で、もう一方は「妻が不貞行為に走るのは夫にも問題がある」なんですよ。

私自身はそもそも婚姻制度自体いつかなくなればいいものだと考える立場でありつつ、物語の上では、男女を逆転させた『るつぼ』を見てみたい。
どんな理屈がそこに持ち込まれるのか。

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