食器、具体的にどんなものが好きなのかと聞かれても、あまりはっきりとは答えられない。ただティーカップなどで色々なメーカーの製品が棚一面にバーッと並んでいたとして、特に柄が素敵かも……と感じ自分が手に取る確率が高いのは、ノリタケみたいだった。
あ、これ、良いなぁと思って裏側を見るとだいたいその名前が書いてある。
有名すぎる老舗。
名古屋で洋館巡りをしたり、明治期の陶製業について追っていたりすると、ナルミと並んで必ず行き当たる存在。普段からなにげなく触れることができるのは所謂「オールド」ではない、第二次世界大戦以後のブランドから世に出たもの。
そういえば2月に九州、福岡をぶらついていた際に小倉の土地とTOTO(東洋陶器)の関係を知ったのだけれど、調べたらノリタケもTOTOも森村グループというくくりに入っているらしい。
全然詳しくないので、そうなんだ、と思う。
トレーを買ったのと同じ店で中古のティーカップをぼんやり探していて発見したのが、ノリタケの骨灰磁器(ボーンチャイナ)から、現在は廃盤になっている「カリフパレス」のカップ&ソーサーセット。
口径が広く、いれたての熱いお茶を飲むのに適した、ごく浅いつくり。薄く、唇や舌に感じる表面のなめらかさ。忙しくない夜などに出してきたい。