モーニングセットの定番、ゆで卵とトーストと、珈琲か紅茶の注がれたカップ。
それらが1枚の重たいトレーの上に乗っていて、なおかつトレー自体が銀色をしている金属(そして願わくは、左右に持ち手が付いているもの!)だと、何か特別なはからいを受けているような気分になる。そういう話を前にしていた。
中古品を扱うお店の生活雑貨コーナーで見つけたのは、そういうトレーの特徴を部分的に持ちつつ、でも幾分かサイズが小さくなったもの。10×20cm程度の。
ところどころメッキが剥げており、裏側にも経年の使用感が蓄積されている感じに惹かれ、値札を見たら「350円」と書かれていた。よし、買いましょう、と思って手に取り、さらによく値札を見ると、5枚セットで350円なのが分かった。
5個……?
気に入ったものを廉価で手に入れられるのは嬉しいけれど、同じものを5枚もいるかと聞かれたら、別にいらない。でもバラ売りはしていないみたいだった。そしてこれ自体、欲しいことには欲しかった。
なのでとりあえず5枚を購入して帰り、残りの2、3枚は友達に贈れば良いではないかと考えている。古いものやこういう雰囲気のものが好きな子はわりといる。
机に置いて眺めるほどにやっぱり好きで、七尾製菓のフレンチパピロを並べてみた。
食器、具体的にどんなものが好きなのかと聞かれても、あまりはっきりとは答えられない。ただティーカップなどで色々なメーカーの製品が棚一面にバーッと並んでいたとして、特に柄が素敵かも……と感じ自分が手に取る確率が高いのは、ノリタケみたいだった。
あ、これ、良いなぁと思って裏側を見るとだいたいその名前が書いてある。
有名すぎる老舗。
名古屋で洋館巡りをしたり、明治期の陶製業について追っていたりすると、ナルミと並んで必ず行き当たる存在。普段からなにげなく触れることができるのは所謂「オールド」ではない、第二次世界大戦以後のブランドから世に出たもの。
そういえば2月に九州、福岡をぶらついていた際に小倉の土地とTOTO(東洋陶器)の関係を知ったのだけれど、調べたらノリタケもTOTOも森村グループというくくりに入っているらしい。
全然詳しくないので、そうなんだ、と思う。
トレーを買ったのと同じ店で中古のティーカップをぼんやり探していて発見したのが、ノリタケの骨灰磁器(ボーンチャイナ)から、現在は廃盤になっている「カリフパレス」のカップ&ソーサーセット。
口径が広く、いれたての熱いお茶を飲むのに適した、ごく浅いつくり。薄く、唇や舌に感じる表面のなめらかさ。忙しくない夜などに出してきたい。
#中古品 #生活雑貨 #食器