結局内・外の境界設定をずっと曖昧にしつづけてきたのが一番の問題というのは小熊英二も指摘していたような

"日本の周辺地域統治の総体にあえて「〇〇主義」の名称をつけるなら、後藤新平や寺内正毅が述べたように「無方針」「漸進主義」であり、あるいは「ご都合主義」しかないだろう。支配下においた人間たちを「日本人」であるともないとも言明せず、その時々の状況判断によって包摂と排除を使い分ける姿勢は、「包摂」「排除」ないし「日本人」「非日本人」という二項対立からみれば矛盾であり、分類不能のあり方にみえる。だがこれは、支配側が「日本人」「非日本人」といった分類枠の言葉では表現しきれない願望を抱いていた結果にほかならない。この曖昧さこそ、支配側が「日本人」の境界をその時々の利害によって決定する裁量権を確保するために設けた抜穴であり、支配がもっとも発揮される場であったといえよう" 『〈日本人〉の境界』 654ページ

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