“ゲイに生まれて嫌だなと思う瞬間は、自分が発した言葉で大切な人をこの世からいないことにしてしまう瞬間だ。あえて過激な言葉で表現すると、自分の恋人を自分の手で殺す瞬間だ。同棲しているのに一人暮らしだと嘘をつく時、彼のことをただの友達だと説明する時、僕はこれまでゲイとして生きてきて何回も恋人を殺したし、ゲイである自分自身を殺してきた。言葉で。自分を守るために発した言葉がブーメランみたいに返ってきて結果的に自分を傷つけるという何とも滑稽なループの中で生きてきたと思う。言葉によって透明にされてきた存在や関係性は、同じく言葉を尽くすことによってしかその透明度を下げることは出来ないのではないかという仮説のもと、これまでの自分の言動によって透明にされてきたものを、自分の手で書くことによって取り返すことを本書では試みたい。これまで見て見ぬ振りをしてきた違和感を拾い上げ、無意識にとってきた言動を観察することで、それらの奥に潜んでいて僕を生きづらくさせている「何か」に少しでも肉薄することができればと思う。” 本屋メガホン『透明人間さよなら』はじめに より

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本は、そして本屋は、私たちのあらゆるものを「ないことにされない」ための存在である。そのことをあらためて強く思う2023年2月4日、オープンしています。社会を動かしているのは私たちであって、あんたら政治家ではないんだよ。そこんところ「誤解」しないようにね。

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