アホっていうのは良くも悪くも前向きで楽観的な性格の形容でもあるから、作中でサンジを「頑なにアホ」って言わせてるのめちゃくちゃ端的で的確な表現だなって思う。
そしてそれより前面に出してキャラ説明までしている『心優しき料理人』という要素についてはまだ作中でそこが主題になるエピソードを出してないのなんなん。
どのサンジの描写でも優しいというのが読み取れる描き方はされてるから「サンジは意地悪」とか感想言ってたらそれは違うよって反論できるけど、やっぱどのエピソードも「サンジが優しい」を描くためのものではないんよな。
正確にはギンに飯を食べさせているのが明確にサンジの優しさに主題を置いたやり取り。
なのでもしかしたら尾田先生的にはあれがサンジの優しさを表す全てで、後はその優しさを付随させてるってことなのかもしれん。
バラティエってひとまとめにしてるけど、クリーク登場後の店やゼフ云々のやり取りとそれ以前のギンに飯を与えて船に帰した辺りまでって、少なくともサンジのキャラクター描写という点では別エピソードとして捉えたほうが良いかも。
まじでギンに飯を与えている描写がサンジが優しいって説明の全てかもしれん。
ストーリー進行に重ねると
ギンに飯を与える(サンジは優しい)
↓
ゼフとバラティエの話(優しさが発揮される方向性が定まるエピソード)
であって、今までの把握が逆かもなって。
こういった過去がありました→だからこういう行動を取ります
という説明の内、ストーリー構成上は『サンジの優しさの"方向性"』の説明をしているけど、読者の印象はゼフとの関係や受けた恩に対して向きがちで結果として「ゼフへの恩から店を守ろうとする」とだけ読み取ってしまうのかも。
上の読解が間違いなのではなく、バラティエ後半には「ゼフに助けられた恩がある」と「この経験から先に描いたようにサンジの優しさは飢えた人間を助ける・店を守る方向に発揮される」という別々の情報が含まれるのではないかな。