録画で見たが、最後まで涙が止まらなかった。
多大な借金をして娘をもてなす実父母。豊かなアメリカに戻るよう、娘に苦しげに告げる彼ら。別れぎわ、ポケットからなけなしのお金を出して養母に渡そうとする実の父。
21年目にして、やっと娘に付けられた中国名「司清」。
泣き続けるグレースの顔、極貧の中、働きづめでやせ細った実父の顔、寡黙な実母が、目に焼きついて離れない。
一人っ子政策、運命に翻弄されることの残酷さ。
バブル期、上を向いてばかりいる(排他的なほど)日本社会になじめなく絶望して海外へ出、17年を経て13年前に帰国。古里をもてず放浪する宿命らしい。日米仏の大学で研究・教鞭。専門は哲学・倫理学。過去の重い経験と、いまだ格闘中。オペラLa Bohemeを愛す。Comedia e stupenda. アイヌ語のモ・ルエラニ(小さな下り路)という語を好む。
苦手なもの:肩書に頼る輩、過剰な自己肯定の人。自信家。
忘備録を兼ねる。