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課題図書、読めている!からの妄想 

水晶公は自分の死にざまについて想像するとき、温かいベッドで、という選択肢を排していた。次元のはざまにひとり、冷たく、孤独に、滑稽な自分を見ながら死んでいくのだと心に決めていた。それが、アーモロートから生きて帰った。暁の仲間たちの帰還を考える中で、天秤に載った自分の命の最後に、改めてどんな夢想を抱いただろう。研究のために結晶化が進んで息絶えることを考えたのではないか。研究の完成と、自分が水晶になってしまう最期、どちらが先でも構わないと思ったのではないか。もし万が一にも、研究が完成したとき命があれば、かわいい孫娘やいとおしい街の人々に見送ってもらえる可能性があった。あるいは、研究が完成せず結晶化が間に合わない時、英雄に殺めてもらうことを、一瞬でも夢想しなかっただろうか。彼の夢想がつまびらかにされることは永遠にないけれど、ボズヤでミーシィヤを殺めることを考えたあと、これに思い至るひろしはいいなと思います。

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