『黄龍の村』ネタバレ感想メモ
男尊女卑などの有害な古い風習をぶち壊していく村ホラー。監督もインタビューで答えてるからここは間違いないとして、気になるのは「老害」というワード。
クソみたいなルールを押し付けてくる敵を「老害」と罵って倒すシーンがあるんだけど、敵側には若者もいるんだよね。そして主人公側には祖母の仇を取る、という目的もある(クソみたいな風習に殺された祖母の仇を孫が取りに来る)。だから映画ではたぶん年齢じゃなくて古い風習で人を縛ろうとする敵を「老害」認定してるんだろうと思う。
でも視聴者の頭に染み込んだ「老害」の定義はそう簡単に変わらないし、祖母の仇の話から少し間があってからの「老害」発言だし、しかもその後も祖母の話に触れなかったから、「老害」というワードは“有害な風習を押し付ける者”という新たな定義を与えるよりも“単なる世代対立”と受け取られるんじゃないかと思った。
映画では主人公側の学生グループの中でもハラスメントする奴らはみんな死んだし、敵側でも被害者(ラスボス)は生き残った。加害者が死に被害者が生き残った結果からしても年代対立ではなく有害の破壊がテーマであることは明確なんだけど、「老害」のワードだけがどうしてもミスマッチだな〜〜と思ってしまう。
『黄龍の村』ネタバレ感想メモ②
監督はこの作品を若者にも観てもらいたかったみたいだから若者に響くワードとして「老害」を選んだのかもしれないけど、今の十代って核家族家庭が増えたせいもあって高齢者を同じ人間として思いやれないって子が多いし、世代対立に思考が至るリスクが高いからいまいちななワード選択だと思うんだよね。
とはいえ監督25歳の作品だし十分すごいよな。他の作品もおもしろいし作品に込められたメッセージは思いやりがあるので好きだ。べびわる3楽しみ。