蝙蝠と蛞蝓
蝙蝠と蛞蝓、主人公の激しい苛立ちの原因は同じアパートに住む変な男の存在である。そいつは蝙蝠のようなシルエットの胡散臭く、うだつの上がらない、冴えない小男で、名前を金田一耕助というらしい。
主人公は、もうひとりの苛立ちの原因である近所の女を「自分*が殺し、金田一耕助に罪を被せる」小説を書くことで鬱憤を晴らそうとする。
しかし、不完全な小説に書いたような事件が現実に起こり、しかも指紋などの証拠によって犯人として警察に連行されたのは主人公自身だった。
身に覚えのない取り調べを受け憔悴しきる主人公。
ある日、警察官の態度が突然軟化する。主人公が連れて行かれた先にはあの気に食わない蝙蝠野郎がいて、主人公は「コイツこそが真犯人に違いない!!!」と喚くが……?
想像通り、金田一耕助の推理によって助けられた主人公の最後の一文が良すぎる一人称短編小説!