ある種の一部の『オタク』のセルフイメージが「優しい」であることに常々ものすごい疑問と違和感があって、あんなに強いものには卑屈なくせに、差別的で露悪的で暴力的で加害欲と支配欲に満ちてて徒党を組んで気が大きくなると反社会的なことまでやり出すのの何がどう優しいんだろう…!?とか思ってたんだけど、シン・仮面ライダーの本郷猛が「優しい」のであれば、どれだけ世界が酷くても、社会、とりわけ権力に対しては不平も不満も漏らさず、むしろ滅私奉公することに格好良さや喜びを見出し、自分の内側にある心と呼ばれるものを抱きしめて悲しい時は一人で静かにむせび泣く、みたいなのがそういったイメージに近いのかもな……と思った。
悲惨な境遇にありながらも凛として強く有能で、しかしどこか脆さもある、自分の力を頼りにしてくれる若くて美しい女性とは絆を育みたいという願望も叶えているし。
草薙素子「世の中に不満があるなら自分を変えろ。それが嫌なら耳と目を閉じ、口を噤んで孤独に暮らせ。それも嫌なら――」(攻殻機動隊SAC #01より)
↑これは作中においては最終的に間違いとされた意見なんだと私は思っていたんだけど、この台詞を正しさというか、真理のようなものだと信じている人は意外と多いような気がする。