【再103】ハトの孤独
「ハトは若いころは集団で行動し、繁殖期になるとつがいになり子育てをするため単独行動になります」
私たちハトのことを説明する人間に出会った。ひとりで行動している私をさして、若者ではなく繁殖期以降の成熟したおとなのハトだと言いたいのだろう。
本当のところは違うのだ、私たちはいつまでも一緒にいたかった。しかし一羽、また一羽といなくなっていき、私は残された結果にひとりで行動しているのだ。
夕方別れてそれぞれが決めた巣へ帰り、朝 広場へやってきたらあいつがこない。次はあいつもこなくなった。そうして今では私だけになった。
たとえ私だけが成熟せずにおいて行かれてるのだとしても、あいつらが今日も生きていて、どこかで楽しくやってるんならいいなあとささやかに望みながら明日の朝もここへやって来るつもりなのだ。