マタタビ・ニュース・ダイジェストについて

このサイトを立ち上げる直接のきっかけは、2022年7月参議院選挙直前に起きた元首相暗殺事件の国内マスコミの報道姿勢に危機感を持ったことです。海外の主要新聞・テレビは、事件直後から加害者の家族が属する宗教団体の実名を挙げ、犯人はそのカルト（諸外国におけるその団体に対する認識）への私怨から襲撃を行ったと報じました。一方、一部の例外を除き国内マスコミは、宗教団体の名前を伏せ、与党の有力議員であった元首相とその団体の関係についても、沈黙を続けました。団体の実名や両者の長く親密な関係が普通に報道されたのは、選挙後でした。

投票日前に宗教団体名、被害者とカルトの関係についてテレビや新聞が報道していたら、投票行動に影響が出たことは想定できます。また、東京五輪汚職についても海外メディアが報じてもそれらを追わず、招致の先頭に立った元首相の影響力がなくなるまで、不都合なニュースが大々的に報道されることはありませんでした。特定の勢力や権益のための報道統制が行われ、世論が操られている、と疑っていい状況だと思います。

政府与党の取り巻きとして巨大な利益を上げる大手広告代理店に支配され、国内メディアが自己規制を繰り返すようになってずいぶん経ちます。その代理店の社名を生放送でうっかり口に出したため、厳しい処分を受けたコメンテイターも記憶に新しいです。私は、報道機関としての役割を忘れ、政府広報の一部のように振る舞う大手マスコミに落胆しています。そして現状を少しでも変えるためにできることを考え始めました。

私は1990年代の大半を米国で過ごしました。最初は駐在員として、後にフリーランスライターとして、主にコンピュータと医療分野の取材・執筆活動をしました。

マタタビ・ニュースダイジェストは、国内外で一次情報への取材経験のあるITと医療健康のふたつの分野に加え、昨今最も気になる（いくつかの国々で衰退へ向かう）民主主義の状況に関連する英文ニュースへのリンクと見出し翻訳の投稿します。たとえそれらがオンラインで拾う二次情報であっても、多忙な方々の海外情報収集、さらなる探求への糸口としてお役に立てるのではないか、と考えたのです。

今の時代、海外情報の収集は適切なキーワードを登録すれば、あとは検索と機械翻訳で十分だ、と考え、実践する方も多いでしょう。しかし、膨大なニュースから興味を惹かれる記事を選び出し、さらにそこから自分に本当に必要なものだけを求め、ふるいをかけていたら、いくら時間があっても足りません。私は新聞社デスクの役割を果たす生身の編集者が、知識と経験に基づき記事に優先順位をつけ取捨選択する作業は、AIが進化しても当面なくならないと思います。

すでにヤフーニュースその他のニュースアグリゲーターを利用しており、それで満足、という方もいらっしゃるでしょう。このサイトにおいては最大公約数的な記事選択でなく、私個人の価値判断が優先されます。国内マスコミが見落としがちなニュースに加え、重大ではないけど気になるニュース、国内の様々な問題に直結したり、洞察の助けになる記事・番組（最近の例をあげるなら、英国における水道事業民営化後の問題を扱った英ガーディアン紙）等を独自の基準で選択し、紹介する予定です。

今日本は、第二次大戦後最も重大な岐路に立っています。真実を知らないと正しい判断はできません。私は真実に右も左もないと思います。求められるのは報道のウソやごまかしを見抜く能力ではないでしょうか。国内報道機関が政府与党に対する忖度や過剰な自己規制を続けても、幸いなことに私たちは、ネット経由で海外から発信されるニュースを簡単に入手できる時代を生きています。少しでも多くの人が様々な視点を持ったニュースに触れ、誤った情報、特定目的への誘導に惑わされないでほしいと願います。マタタビ・ニュースダイジェストは微力でもその助けとなることを目指します。

私はインターネットアクセスが低速で従量制だった頃の習慣が抜けません。このサイトでは不必要な画像データを使わず、できるだけ少ないデータ/パケット転送量で情報を伝達することを心がけます。

2024年1月より、このサイトの記事はFediverseにも流れるようになりました。Mastodonなどからは、(@matatabinews@www.matatabi.com)で検索してください。

2023年1月

マタタビ・ニュース・ダイジェスト (matatabinews@gmail.com)

https://www.matatabi.com/about/ [参照]