モース『贈与論』読了。
本邦初翻訳された論文を収録してる岩波文庫版を購入。
https://www.amazon.co.jp/dp/4003422813?ref=cm_sw_r_ffobk_cp_ud_dp_7EW46NW1HZ3BPPBR24YC&ref_=cm_sw_r_ffobk_cp_ud_dp_7EW46NW1HZ3BPPBR24YC&social_share=cm_sw_r_ffobk_cp_ud_dp_7EW46NW1HZ3BPPBR24YC&_encoding=UTF8&psc=1&skipTwisterOG=1&bestFormat=true
モースの時代も今も女性は論文の対象外だから、見返りを求めない贈与「大阪のおばちゃんの飴ちゃん」に匹敵するものについては言及なし。
ただ、現代の契約とか納期とか商売に関する考えとか規範が急に出てきたものではないことがわかって楽しく読んだ。
「大阪のおばちゃんの飴ちゃん」についてはヨーロッパの女性に聞いても「わかるよ、うちの本国でもやってる。男性はやらないよね」って言ってた。その時に英語で見返りをin returnというと知った。一冊の本から広がる文化体験はお金では買えない。いや、厳密には本代を払ったから獲得できたのだ。こういう体験はモースの言う贈与論(The gift)の何に該当するんだろう。好奇心に終わりはない。
バラモン左翼という単語は、良くも悪くもおハイソ左翼とかそんな感じでとらえていたけど『贈与論』を読んで、バラモン左翼には「うっせーな、説教しやがって。働かないで食える、言い換えれば搾取の上位層に嫌がるやつが何えらそうにしてるんだ」のニュアンスがあることが分かった。
そう言えば、トマ・ピケティはフランス人だったな。