正月映画初めは大島渚『忘れられた皇軍』。
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良質なドキュメンタリーで初めができて毎年無駄に映画を見ていた甲斐があった。これはいけるとか、鼻が利くようになる。
本作は日本軍に徴兵された朝鮮人(韓国人)の傷痍軍人の問題を真正面から捉えている。朝鮮半島の同胞2400万人を相手に日本人として志願兵を募って戦後、日本人ではないとして保障から外したのである。これは民族を理由とした構造的な問題と言えるだろう。韓国政府は日本軍の問題として取り合わなかった。
本作では占領軍国連(アメリカ軍)は占領責任者として何もしなかったことには触れない。大島をはじめ日本人は気づいていなかった論点だろうか。
結局、大島は韓国人傷痍軍人の問題を日本人の無関心の問題と捉えている。この具体性は評価できる。評価できるだけでなく占領軍が解決策を出さなかったことは日本人の問題と徹底するなら不要な論点だろう。
私は戦前の体制を維持した占領軍の問題を問いたいから、そこは触れずにはいられない。