映画『헌트 HUNT』ものすごく面白かった。監督・脚本・主演を務められたジョンジェさんに拍手!素晴らしい映画をありがとうございます。
1980年代、まだ軍事政権下にある韓国を舞台としたスパイものとしての重厚さと圧倒的な見応えはもちろん、監督が込めたであろう現在にも通ずる国家と政治の在り方に対する真摯なメッセージと怒り、そして作品への責任を全編通して感じた2時間でした。ここまで仕上げるのに、長年かけて脚本に手を入れて絵コンテも綿密に作り込み、かつご自身も主演として撮影に臨むのがどれほどたいへんなことだったか…。初回鑑賞時は、作品からびりびりと伝わる緊張感とともに、彼のその数年を勝手に想像して体に力が入り、本当にお腹が痛くなりそうだった。
そして、ジョンジェさんが「格好よく撮りたかった」と話されていた通り、ウソンさんは抜群に格好よく役もぴったりだったのだけど、ジョンジェさん自身も自分の魅力を最大限に自ら引き出して撮られていて、本当に美しく格好よかったです。相対する二人の感情のぶつかりあいやうねりもしっかり見えて、まさに「二人で格好よく」だった。
友情出演が想像以上に豪華で「うそでしょ?!」って笑っちゃった。そして、観客への信頼と次の世代への希望も込められた作品だったなぁと思う。