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『#オオカミの家』
たくさんの文脈を踏まえていないと作者の意図がまったく伝わらない可能性もある作品で、宇多丸さんのムービーウォッチメン評論やパンフレットの解説が大事だった
ストップモーションアニメは素材が現実に立体として存在するぶん情報量が多く、途中で脳が疲れて気が遠くなることもあるけれど
この作品は、カットを割らずに人物の身体がだんだん形になって画面に現れてくる経過も見せているので、その時間のぶん、恐怖や不安がじわじわと侵食して、人物の心情が変化していくスピードをリアルに感じられた気がする
そのせいで、これからどうなってしまうのかという不安が作中の人物とシンクロして、自分自身がこの空間で生活しているような感覚になり意識を離せなかった
壁に書いては消し、上からまた書き…といったペインティングや、立体が変容していく様など、完成された世界観というより作者たちの身体性や偶発的な印象も伝わって、アートパフォーマンスをこのテーマで映画にしたアイデアがとにかくすごいと思う