1/28のNHKスペシャル『衝突の根源に何がー記者が見たイスラエルとパレスチナ』を見た。かなり踏み込んだ内容だった。
この番組で、ハマスに親族を殺されたイスラエル人のインタビューを見て、彼らの抱いている恐怖を初めて追体験出来た。日本人が戦争に抱く恐怖と似ている、と思った。
先祖から繰り返し聞いたナチスによる(あるいは有史以降繰り返されてきた)ホロコーストの悲劇。それは、私たちが子どもの頃繰り返し聞いた大空襲や原爆の悲劇に似ている(もちろん、ユダヤ人は一方的な被害者である一方、日本人はみずからの加害の結果被った被害であるのだが)。
そのトラウマめいた恐怖故に、今の日本人は「中国や北朝鮮に攻められる」と脅かされれば、いくら憲法違反で自分たちの生活を圧迫すると分かっていても、その理不尽を飲み込んで野放図な軍拡に賛成し、核武装のために原発もやむなしとなってしまう。高畑勲監督が晩年、「『火垂るの墓』では戦争を止められない」と語っていたことと重なる。イスラエル人も同じような心境に陥っているのではないだろうか。
↓この連鎖を断ち切るにはどうしたら良いのだろう?本来、憲法9条は「一抜けた」をする一番の方法だと思うのだが。
番組の最後の方、親族をハマスに殺された女性が、でもガザでの虐殺も望んでいない、と語っていた。男性ばかりが語る中、このように語るのが女性なのは、やはり象徴的だった。