アベが代以降、よく思い出す物語というのが幾つかあるけれど、宮部みゆきの『模倣犯』もその一つ。
「スマイル」というあだ名の犯人は、子供の頃いじめていた男を誘い出し、陥れようとする場面。いじめられていた男は、蕎麦屋をつぎ、ちゃんと大人になっている。スマイルらの言うことが、あまりにバカらしく、こんなことに騙されると思っているのか、と訝しがる。結局彼はスマイルらに殺されてしまうのだが。それが、例えば、あからさまな嘘を言う原子力村の輩とスマイルが重なってみえる。
で、最近、ひろゆきこそが「スマイル」なんじゃないかという感覚に捕らわれる。あの屈託無さげな笑顔。「昆虫の羽根をむしる子ども」と呼ばれる残虐さ。彼に投資した会社がグッドスマイルカンパニーという名なのも、なんとも。