少しネガティブな感想を含みます
二人の少女が、特徴のある星を渡り歩く掌編集。それぞれの星で起こることのシニカルさ、という点で、どうしてもこの立て付けだと『キノの旅』を比較対象にせざるを得ない。
比較すると、うーん、なんだろうな……その星で描かれる事象の複層性(ある種における「仕方のなさ/こういうあり方もあるよね」)の納得具合において劣るように思う。
この作者の特徴は淡々とした描写にあると思うんだけど、それがよいように働いているかというと、本作では「味のなさ」につながってしまっていて、若干退屈に感じられた。
たぶん「ハリボテ感」が強すぎるんだろうと思う。